月別アーカイブ: 2020年11月

留学のすゝめーモスクワ編

留学のすゝめー極東編に続き、今度はモスクワ留学に触れていきます。

メリット

やはり首都のモスクワで学ぶロシア語は系統立ってちゃんとしています。。というのが結論です。私はすでに極東でロシア語をマスターしたこともあって、モスクワにあるプーシキン大学では当時勤めていた会社の関係で、ほんの3ヶ月間しか受講しませんでした。

これが厳しかった。。。普段の生活では使わない文法もたくさん取り扱われたのです。。。

授業カリキュラムもちゃんとしっかり組み込まれていたし、ハバロフスみたいに先生今日はやる気ないので授業なしというのはもちろんないし、周りの留学生のモチベーションも高かったです。モスクワになると本当に各国からの留学生が来ていたけど、面白いなーと思ったのはアフリカからの留学生もちらほらいましたね。社会主義国だったという共通点があるのかなとも思いますが。と、少し話がずれましたが、プーシキン大学の授業はビシビシ課題が出されるし、毎回の出席日数もちゃんと数えていたし厳しかったです。だから、多分1年丸々モスクワで語学留学をしていたら、文法やメソーッドをしっかり学べたなと思います。

デメリット?

極東に比べて、モスクワっ子は忙しい。アジアに対する興味は極東に比べればかなり薄く、「え、日本?ふぅん〜、あっそう。」という人が多いです。極東で「わー日本ー!?、大好きー」という反応に慣れていたので、こっちに始めの時モスクワっ子の反応はかなり寂しい思いをしたものでした。モスクワは世界地図でもわかるように、ヨーロッパに近いんですね。だから、モスクワっ子にとってヨーロッパは近い国であって、おフランスとか、イタリアとかに憧れを持つ傾向が大きいです。とは言っても、もちろん日本のイメージもいいですよ。ただ、日本にどれだけ関心がある人が多いかというと、首都モスクワは極東に比べて少ないですね。だから、留学中にお友達を無理やり早く作ろうとすると、結構アニメ好きな人が多いかなーと思います。でも、時間をかけて自分の関心ごとに集中すれば、ロシア人もまあ一度心をひらけば親しみやすいので、いい友達ができると思います。

寮の話

ソ連時代の名残で、国立大学への留学だったら、寮については問題なく大学からサポートを受けられます。自分で住まいを探さなくてもいいから、これは本当にありがたいこと。ただし、大学の寮は質がよくないので期待しないでくださいね。結構ゴキちゃんとか、夜中まで呑んでいる学生さんとかで騒がしいです。私が社会人になって通っていたモスクワの大学院の寮は、なんと1ヶ月で1500ルーブル(2千円ぐらい)とかなり安かったです。今のロシアの授業料や物価は昔に比べ高いけど、、学生にはとても優しいシステムになっています。地下鉄の定期券も普通は1ヶ月で1800ルーブル(2千5百円ぐらい)するところ、学生割引だと300ルーブル(4百円ぐらい)と激安になります。ロシアで面倒な滞在登録証は大学の寮に住んでいれば大学の事務がやってくれます。ただ、経済的に余裕のある留学生は、最初は寮に住んで、学生生活にも慣れて、気の合うクラスメートがいたら、自分たちでアパートを借りているケースも多かったです。

以上、極東の留学、モスクワの留学についてどちらがいいか、これまでの留学経験を踏まえて纏めてみました。

留学のすゝめー極東編

コロナの影響で多くの国の国境は未だに閉鎖していますが、今回のテーマは留学。今はオンラインで多くのものが遠隔で作業をすることができます。言語もわざわざ留学しなくても、オンラインで受講すれば全てことが済んでしまうなーと思うこのごろなのですが、私が留学して思うことは24時間その国の言語に浸って生活するのはエキサイティングで貴重な時間だったのです。

もともと出不精だし、面倒くさがりなので、イギリス留学やアメリカ留学は遠いと思っていたし、費用も高かったし、しかも義務教育で英語に対するモチベーションが低下してしまったこともあり、できるだけ近隣国で留学できるところがないか模索していました。アジアも良かったけど、当時は中国ブームで親友が中国留学をしていたので、近いけどあまり知られてないロシア・極東はどうだろうか?ということで、ロシアの扉が開きました。ハバロフスクやウラジオストックが田舎の新潟から直行便があるんだ、なんてことも知って面白いなと思い、日本で通っていた大学のプログラムで極東を訪れる機会があり、そのとき本当のロシアを見てショッキング、極東の大自然に魅了された、こんな感じです。だから、ロシア・バレエが好きだからとか、ロシア文学が好きだから、というのではなかったし、当時ではあまり人気でなかった極東という場所を選んだのも、周りのロシア留学生と違ったところかと思い返します。

大学へのアプライは?

留学準備時はロシア語は全然話せなかったので、JICという留学サポートもしているロシア専門旅行会社に頼みました。銀行送金も当時は困難な時代だったし、しかもマイナーな大学を選んだので、全てサポートしてくれたJICに感謝です。当時は、大学からの返答が時間かかったりで、本当に留学できるかできないか毎回のやりとりにちょっと緊張していたと思います。今はネットが発達しているので、多くの大学が英語のサイトや、留学生の窓口を設けています。ロシア語は話せれば、直接大学の担当者にメールや電話で聞いたりするのも手だと思います。

ちなみにロシアへの語学留学は、大学に併設している外国人向けのロシア語学科へ留学するのがメジャーです。大きい大学だと大体、このような学科があります。そもそも、ソ連時代は国が運営している教育機関しかなかったから、その名残だとも思います。しかし、モスクワやサンクトペテルブルグ等の大都市だと、私立の語学学校もあります。私立の語学学校の方が高いけど、1クラスの生徒数は少なめです。このようのして大学と留学の為にやりとりができるようになったら、しかるべき必要書類をロシアへ送って、大学や学校から留学のための招待状を作成してもらいます。それをもとに日本のロシア大使館で就学ビザを作成するという流れです。

授業や寮の様子

私が1年目に留学したところは極東のハバロフスだったのですが、生徒は中国人か韓国人がほとんどで、日本人が私の他に1〜2人でした。欧州からは全然見なかったけど、それはそれで、アジアに近いロシアを感じられて楽しかったです。寮では韓国人の女の子が、韓国料理を振舞ってくれたり、ロシア人の生徒も同じ寮の棟に住んでいたので、一度にアジアの文化とロシアの文化が知れて楽しい寮生活でした。

実はその後にモスクワのプーシキン大学にも数ヶ月、留学経験があるのですが、それに比べるとハバロフスクの留学はのんびりしていました。韓国にロシア語先生として働くのを夢見ていた若い先生は、「今日は天気もいいし、あまりやる気がないから、授業はなしで散歩しましょう!」とかそんなのがあった。年配の先生は、化粧直しに手鏡を見ながら授業をしたり、かなり自由でした。そんな、ゆるゆるな授業でしたら、授業も普段の生活も英語は全然通じないし、かなり親日のロシア人生徒がたくさんいたので、実戦のロシア語がかなり鍛えられたと思います。

極東で留学するアドバンテージは

①日本から近いことー 何かあったら2時間ぐらいで日本に帰れること。時差も少ないから、日本にいる家族との連絡も取りやすいし、精神的のも近いから楽でした。

②アジアの商品が多いー スーパーの食品店は韓国の人参サラダとか、ゼンマイサラダとか結構アジアの食品が多かったです。日本から近いので、特にウラジオストックなんかはモスクワよりも早く日本の商品が入ってくるような気がします。(今はモスクワにも日本の商品があふれていますが、新商品が入ってくるスピード感は極東の方が早いと思います。)

③親日家が多く、日本の関心が大きい ー これ、①〜③の中でめっちゃ重要です。多分今は中国のパワーが大きいので、中国語を勉強しているロシア人が多いと思うけど、私が留学していた時は、日本語を勉強している人も結構いて、授業やイベントに招待されたり兎に角ひっぱりだこでした。代わりにロシア語教えてとか、そういった意味で文法は本当にモスクワの大学に比べ弱かったけど、会話力は鍛えられたのです。

これはロシア全体においてそうなのですが、ロシアは親日家が多く、特に極東はさらに多いです。だから、極東からモスクワへ移った始めの時は、結構モスコビッチ(モスクワに住んでいる人達のこと)が冷たかったのが辛かった。。モスコビッチでも「え、日本?フッン。私はヨーロッパが好きよ。」みたいな人も結構見かけたし、やっぱりこれはジオグラフィー的な要素もありますね。これは個人的な意見ですが、極東で日本語を勉強しているロシア人生徒の方が、日本語は上手だと思います。

以上、今回は極東留学するメリット、デメリットを書きましたが、今度はモスクワ留学について触れてみます。

パカー

ロシアの第2波ー④PCR検査の数

ここの記事に、ロシアのPCR検査数が1日に50万件を超えたことが書かれています。→ “В России число тестов на коронавирус превысило 60 млн”(https://tass.ru/obschestvo/9881129)

偽陰性の確実も多いですが、テストにテストを重ねて普段の生活の行動には要注意です。

ロシアがどのくらいPCR検査数が多いかは、サイトで見られます。(過去のレコードは見れないけど、当日のだったら見られます。)→ “Количество тестов на коронавирус по странам” (https://covid-stat.com/coronavirus-tests-by-country/) 百万人の人口に対してもどのくらい検査がされたか見えますが、ロシアはそこそこPCR検査の検査が数が多い模様。これは良いか悪いかは別として国の方針が見えますね。

↑ (2020年11月1日の時点)

ロシアの第2波ー③ロックダウンとなるか?

フランスでは1ヶ月のロックダウンが導入されますね。

前にも書きましたが、ロシアもどんどん感染者が増えてます。今月初めから商店で会計の時に、(形だけ)手袋をしてくださいとレジに置かれている無料の手袋をするように促されたり、マスクの着用は地下鉄でチェックが入ったり(しかも罰金を払わされるシーンも出て来ているだとか)、と夏に比べて少し厳しくなっています。

 

ロシア全体の感染者数(赤いグラフ)↑

欧州と同じく5月のピークを優に超えてしまってます。。。

モスクワの全体の感染者数(赤いグラフ)↑

出所:ヤンデックス(https://yandex.ru/covid19/stat

モスクワは、なんとか5月を超えないように持ちこたえているか?というところです。

一昨日(10/29)に、大統領は最悪の事態、つまりロックダウンにはならないだろうと発表しました。そう、ロックダウンをすれば、政府は国民に給付金などでサポートしないといけない。多分、ロシアはそんな経済的な余裕はないからロックダウンはしない、と個人的には思います。

実際に第1波では、ロックダウン中(ロシア語でself-isolation”サマ・イザリャツィヤー”という言葉を使っていた)の後、政府は企業や個人事業主、小さな子供を持つ世帯に給付金を支給していたけど、実際のところ個人事業主向け給付金の応募期間は大変短いもので、その情報をキャッチアップしたら既に募集が終わっていたということも往々にしてあり。手続きも煩雑だったり、つまり力のある企業にしか手当がいかなかったり、みんなが平等に守られているかというと、そうではないのですね。(子供や母親、年寄りに比較的優しいという特徴はありますが。)

ということで、今のところ欧州みたいにレストランが夕方からクローズするとかそいういうのはなく、例えば夜のクラブはQRコードを利用しないと入れないとか、その程度に規制を抑えています。

国営系のニュース番組を見ても、ロシアの感染数が増えてヤバイ、という感じではなく、「私たちはコロナと戦っているぞ」とか、第1波時と同じように、この状況下で年金生活や弱者に自宅まで食品をデリバリーをしているボランティアの若者を取り上げて、見本になるようなあるべき姿を放映していてる。コロナの感染者が増えて怖い、気をつけて、というよりも、普段と変わらないとても淡々とした様子。そういえば、ウィルスが何者か分からなかった第1波は、アジア人の差別や白い目もあったのは事実だけど、第2波は上記のような表面的には淡々とした雰囲気と、下手に外国人は外出しないのもあって、周りで差別をあったというのは聞かないな。いずれにしても、余計な行動はしないというのが、前回の内容と引き続き、私の意見です。

 

参考記事: ”Президент: Локдаун из-за COVID в России не планируется” https://rg.ru/2020/10/29/putin-lokdaun-iz-za-covid-v-rossii-ne-planiruetsia.html