日別アーカイブ: 10/23/2025

去年の欧露国境越えについて

さて、話はガラリと変わって、去年エストニアからロシアに移動した様子についてアップします。結論から言うと、ものすごく大変でおすすめしないというものですが、ご興味のある方は、お時間ある時に一読いただければと思います。

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去年のロシアの様子はコチラから読むことができます。 「只今、中継地点」、「大都市生活

もしくは、ロシアについてのブログ記事は、カテゴリーの「あれこれ日記in Moscow 」で読むことができます。

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戦争以降、欧州とロシアを結ぶ航路は途絶えてしまったので、いつもイタリアからはトルコ経由やコーカサス経由で飛行機を乗り換えて行っていましたが、多くの旅行者が使うトルコ経由が大変高くなってしまったことと、他の経由で行ってみたいということで、欧州から陸路でロシア入りすることにしました。以前に友達から聞いたバルト三国からロシアに行った話や、その方がお値段的にも若干安くすむ、というのも考慮に入れました。

私が使ったルートはミラノ(空路)→タリン/エストニア(陸路)→ナルヴァ/エストニアーイヴァンゴロド/ロシア(橋を渡って徒歩)→サンクトペテルブルク/ロシア(陸路)です。

下記の地図で見る通り、エストニアはロシアと隣接している国です。先ずは、エストニアの首都タリンまで行き、そこからサンクトペテルブルグ行きのバスがあるので、バスの乗客員総勢で国境近くのナルヴァ(Narva)という街でシェンゲン圏出国の手続きをし、その後ロシアのテリトリーに入りレニングラード州イヴァンゴロドでロシア入国をする、というレートを辿ります。

google map

イタリアからタリンへ着くまでは、同じ欧州なので特に問題はありませんでした。タリンからサンクトペテルブルグ行きのバスに乗る為に、タリン市内で1泊しなければいけないのがポイントです。

タリン空港

タリン自体の街はコンパクトなので、トラムを使用して移動しやすいです。あまりごちゃごちゃしていないところが、なんとなく北の国に来たかな、という趣です。

タリンで一泊してから朝、国際バスが出ている停留所まで行きます。自分が宿泊していたところから歩いて20分ほどです。多分観光ポイントが多いタリン中心街からでも徒歩で30分も掛からないと思います

国際バスターミナル

バスターミナルは、思っていたよりも綺麗でくつろげるカフェコーナーもあったので過ごしやすかったです。

朝食を摂っていなかったので、ここでカフェとブリオッシュを頼みました。ショーケースに並べられている品が、ニシンのサラダだったり、スメタナサラダがあってなんか少しスラブ系ですが、街の雰囲気はいたってオシャレな欧州な感じでした。

さて、こちらが自分の乗るバス。バスの札には「タリンーサンクトペテルブルグ(以下ペテル)」とちゃんと行き先が書いてあります。本当にこれでペテルまで辿り着くことができるのだろうか?

私が使ったバス会社は黄色が目立つEcolinesというところです。そのほかにLUX Expressという会社もあるみたいですが、後で知り合う人々達曰く、特に違いはないみたいです。

さて、バスに乗りNARVA(ナルヴァ)という、国境近くの街に向かいます。

まっすぐな道で、バスも普通の乗り心地だったので、これは国境越えも普通に行けるのではないか、という気がしてきました。

どこまでも続く平らな道

タリンから3時間弱で、エストニア側の国際国境検問所に到着します。バスの中から外で人が並んでいるのが見えました。(その時は、この列は直ぐに動くものだと勝手に思ってた。)

人が並んでいる

さてさて、ナルヴァまで連れてってくれたEcolinesはここで乗客を降ろして、さよなら。各自国境を超えてペテル側で新たなEcolinesバスが待ってくれている、という仕組みでした。

昔、未だ今のような状況でない時、ペテルからフィンランドのイマトラという街へ団体バスツアーに参加した時はバスごと一緒に国境を超えたので、「タリンーサンクトペテルブルグ」のバスと言えども今回はこうして一人ずつ手続きをするんだな、と思いました。

国境検問所の列で待つこと2時間、3時間、全然前に進みません。自然と列で待っている前後の人たちと、おしゃべりするようになります。

11月で、夕方になると直ぐに暗くなる。

お昼の12時半ぐらいにこの場所につき、4時間経っても未だ未だ列に並びます。そして、みんな協力するようになり、目の前にあるカフェで交代して休むようになりました。トイレもあるので助かります。

面白いことに、タリン自体は全くロシアを感じないのですが、このナルヴァの街に入った途端、バスで見る風景がロシアっぽくなるのです。みんな着ている服装が違くて、後で列で並んでいる人に聞いたら、この街の大半がロシア語話者の住民とのこと。その歴史も、数ある戦争の運命に翻弄されてきた街ということです。

検問所前でバラライカを引く人

結局、検問所に入れたのが6時間後の夕方7時。その後、悲劇の検問が2時間。スーツケースの中を隅から隅までチェックされ、エストニア側が主張する欧州の高価なものを持ち込んでいるとして、一緒に並んでいたヨーロッパの人と立ち往生し、解決したのが夜の9時。 やっとエストニア側の検問所をクリアーし、ナルヴァ川を挟んで向こう岸にあるロシア領へ15分ほど徒歩で橋を渡り、イヴァンゴロドの検問所を切ります。(こちらは驚くほど即完だった。)

そんなこんなで、バス会社Ecolinesのタイムテーブルを見ると、イヴァンゴロドのバスのお迎えは夕方16時でとっくに過ぎているし、事前情報で2〜3時間ぐらいだったら待ってくれるとのことでしたが、外国人勢はとっくに時間に間に合わず、この後どうなるんだろうと、検問の時の気持ちも引きずりながら、半べそをかきそうになりました。が、そいういうケースはよくあるみたいで、次から次へとEcolinesの次発便が来ていました。ありがたい。

結局、ペテルの市内に着いたのは深夜0時過ぎ。確かにEcolinesのバス代は片道は€40ほど、その他タリンでの宿泊代、タリンまでの交通費を考慮して、コーカサス経由の空路で乗り継ぐよりも若干安いかもしれないですが、国境を越えるのにものすごい時間が掛かるし、ストレスが多いのは確か。更に、列で待ってた時の話だと、日を追うごとに国境越えの状況は厳しくなっているとのことで、今日は大丈夫だったけど、明日はダメなんてこともあり得るらしい。

クリスマスは身内と過ごすのだと、ロシアへ帰郷する人も何人か見かけました。大変だけど少しでも安く旅費を済ませることができるのが、このルート。今回11月でも暖冬だったから未だ良かったものの、雪が降っている中で数時間(最悪時は数十時間それかnever)、列を待っているのは大人だったらまだしも、小さい子がいる家族だったら到底無理だな、と思いました。

ということで、こんな状況下なので全ては自己責任。前にも書いたけど、常に情報をアップデートし、気を付けることを心がけたいです。

 

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旅の指さし会話帳26 ロシア(ロシア語) 旅の指さし会話帳シリーズ