日別アーカイブ: 08/09/2024

イタリアで大量発生しているカニを試してみる

周りではブドウの収穫に入っている生産者もあるので、イタリアのいわゆるお盆休開けの再来週がどうなるか、少し心がそわそわしてます。

さて、今回はカニのお話です。

今、ヴェネトやフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアの海、つまり北イタリアの東海ですね、にグランキオ・ブルー(granchio blu)というカニが大量発生して問題になっています。英語だとブルー・クラブっていうらしいです。ネットで調べても日本語の名称は見当たりませんでした。

グランキオ・ブルーの大きさは、手のひらより一回りほど大きいサイズで、ズワイガニとか毛ガニよりは小さいのです。ここ一年前から大量発生し、凄まじい握力で養殖しているムール貝とか牡蠣なんかを食べ荒らし、水産養殖業者に大ダメージを与えているみたいで、ニュースや新聞で取り上げられているのを見かけます。

こちらヴェネト州は海があるので、スーパーに行くと鮮魚コーナーに新鮮なお魚さんが売られています。とある日、鮮魚コーナーに噂のグランキオ・ブルーが売られているのを発見。お値段は1キロ3.9ユーロ(約650円)。試しに4杯ほど購入、トータルで1.8ユーロ(約300円)でした。

↑ネットに入ってるグランキオ・ブルー

店員の人がグランキオ・ブルーの入っているネットを破り、欲しい数だけ別の紙袋に入れて値段のシールを貼ってくれます。その作業がちょっと怖く、店員さんが素手でネットを破ると、まだ元気に生きているグランキオ・ブルーが動き出し、ハサミも振り出し、袋に写し入れる素手の作業が危なっかしかったです。

さて、家に帰り、このカニをどうしたものかと考えました。イタリアのレシピを見ると、往々にしてカニの肉をわざわざ取り出し料理をするものばかりで、かなり手間が掛かってしまいます。

グランキオ・ブルーの肉はそこまで詰まってないので、いちいち取り出すのが大変です。

↑ユーチーブでも沢山レシピが紹介されているけど、大体カニ肉を使う同じようなレシピ

料理については面倒くさがり屋なので、今回は丸ごとカニの殻をそのまま使った、カニの味噌汁にしました。海の塩とカニの旨味が出て、自分的にはとても美味しかったです。グランキオ・ブルーありがとう、です。

↑料理前のカニ。すごく元気で、ハサミをフリフリ。硬い殻ムール貝やアサリも食べてしまうのも納得。

そもそも、どうして大量発生したかというと、元はアメリカに居たもので船とか何かとともにイタリアに流れ着いたと言われています。面白いのが、大量発生しているのはヴェネトやフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアの海で、ジェノバや、南のプーリアやナポリには、今のところそういった問題はないみたいです。もしかして未だ生態系が解明されていないのかもしれませんね。

政府は、この問題を何とかしようと大量発生するグランキオ・ブルーの活用方法を考案しているそうですが、それらの内容は食用化、輸出など。そもそも肉をメインにしたグランキオ・ブルー活用なんて肉厚が少ないから難しいし、殻ごと使ってペットフードとか加工食品への代変えできないのかなとも思ったりします。それか、身近なところで、私たち日本人みたいな魚の活用法をよく知っている専門家からアドバイスを貰って、イタリアのなんちゃって寿司屋さんにカニの味噌汁キャンペーンとかしてもいいんじゃないかなと思ったりもしますが、これといって経済的にインパクトがなく面白くないですね。。

どうか、これからも牡蠣とかアサリなどが安定して漁獲できますように。。。

 

参考記事:Granchio blu: cos’è e perché è pericoloso (ma molto buono)

https://www.lacucinaitaliana.it/article/granchio-blu-cosa-perche-pericoloso-buono-ricette/

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旅の指さし会話帳6 イタリア[第三版]