もうすぐ冬季オリンピックですね! 開催までカウントダウン10日を切りました。日本ではどのくらい盛り上がっていますでしょうか?
こちらイタリアでは、開催地域以外ではまだそれほどオリンピックの空気を感じていない、というのが正直なところです。ただ、大阪万博のように、実際に始まってみると一気に盛り上がるのかもしれませんね。
さて、イタリアで冬季オリンピックと聞くと、「トリノ」という都市を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。今年は、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。ちょうど20年前はトリノがオリンピックの舞台となり、荒川静香さんの金メダル獲得と、イナバウアーが印象的でした。
今回は去年のクリスマス前に、トリノへ日帰り旅行をしたので、そのときの写真をアップしたいと思います。

Torre Littoria(トッレ・リットリア)前の広場。周りには美術館が多く点在する。ちょっとカメラが傾いてしまった。。でも建物は真っ直ぐ立ってます。
トリノは、イタリア北西部に位置するピエモンテ州の州都で、市の人口はおよそ85万人。
人口規模としては、ローマ、ミラノ、ナポリに次いでイタリア第4位。ローマやミラノのような喧騒とは少し距離を保った、落ち着いた空気を持っています。

カリニャーノ宮殿(Palazzo Carignano)。サヴォイア王家の王宮群の一部としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。
今のイタリアが形成される以前、トリノを含むこの地域には”Re(レ)”=王と呼ばれる支配者が存在していました。イタリアが一つの国ではなく、王朝や地域ごとに統治されていた時代ですね。
街を散歩していると、建築物がゆったりとしたカーブを描きながら連なる、いわゆるバロック建築をよく見かけます。流石Re(レ)の都市、どれも美しすぎる!

トリノ中心部にある歴史的なアーケード街、スバルピーナ・ガッレリア(Galleria Subalpina)。ガラス屋根に覆われた美しい空間。
一方で、老舗カフェや商業空間には、アール・ヌーヴォーの装飾も見られ、なんとなくフランスっぽい雰囲気。ちなみにバロック建築は17世紀〜18世紀前半のトリノが「王都」だった頃のもので、アール・ヌーヴォーは19世紀末〜20世紀初頭と最近のものですね。ごちゃごちゃになったので地元の友達と散策しながら、建築の整理をしました。

アーケード街
このトリノの一帯は、フランス王家とも縁の深いサヴォイア家の都で、長い間この街を治めていた名門王家の拠点でした。街を歩くだけで、どこか気品のある空気が漂っています。
トリノの街から更に西や北へ行くと、フランスやスイスとの国境に近いアルプスの山岳地帯が広がります。アルプスに近くなると、イタリア語とフランス語が公用語となっている地域もあり、昔アルプスの山岳地帯にあるヴァッレ・ダオスタ州へ行った時に、街の人に”ボンジュール”と挨拶され、私はイタリアにいるのに今どこ、とびっくりした思い出があります。

老舗カフェ「Baratti & Milano(バラッティ&ミラノ)」
トリノ街歩きは、ぶらぶらっと老舗カフェ「Baratti & Milano(バラッティ&ミラノ)」に入ります。入場したらちゃんとお茶を飲まなくてはいけない雰囲気でしたが、地元の友達が笑顔でチャオと声をかけて内装をチラッと見せてもらい退場。カフェなのにレストラン並みなお値段の高級カフェです。カフェのレジ脇にはチョコレートがたくさん置いてあり、そういえばこっちの人ってチョコとかトリフなど重厚な味わいが好きなだな、とヴェネトと趣向がだいぶ異なりますね。
さて、こちらはトリノの街の象徴とされる銅像 Il Po(ポー川)とLa Dora(ドーラ川)。川が擬人化されています。

Il Po

La dora
ポー川はイタリア最長の川で、イタリア語の教科書にたまに出てくる川。一方のドーラ川は、アルプスからトリノに流れ込む支流で、トリノの産業を支えてきた川なんだそうです。この旅行で初めて知りました。 そういえばトリノは車のFIATで知られる工業都市でもあります。

アランチーニ(Arancini)。サフランライスに具を入れて揚げたライスコロッケ。
トリノは雇用機会の多い都市なので、伝統的に国内の出稼ぎで移り住む人が多く、南イタリアのお店が意外と目につきます。そんなわけで、友達とカフェでシチリア名物のアランチーニを食べてから帰ることにしました。大きさは手の拳以上でボリューミー。私が頼んだのは中にラグー(ミートソース)は入っているもの。本格的なアランチーニで美味しかったです。トリフとか重厚なパスタが苦手だったら、こうしたストリートフードもお勧めです。
ここでふと、話は前に戻って、トリノには約20年前の冬季オリンピック施設があるのに、なぜ今回はそれらを再利用せずに、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックになったのだろう、という疑問が浮かびます。
現地の人に色々話を聞くと、アルプスに近く、ウィンタースポーツと結びつきやすいのはトリノですが、招致という点では、今回ミラノの方がアピール力が強かったというのが理由の一つだそうです。少し話は逸れますが、山岳競技が行われるのは、ぎりぎりヴェネト州に入るコルティナという街。文化的には南チロル(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)寄りのところなので、コルティナがどの州か間違えやすいです。
大きな国際イベントには、開催後のインフラ維持という現実的な問題がつきもの。ミラノの動きを横目に、トリノは自分たちの施設の再利用の現状に静かに向き合い、声高に主張することなくゆっくりと自分の立ち位置を受け入れているのかな、とそんなことを感じさせる、トリノ小旅行だったのです。
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