最近ウクライナのワインを試飲する機会がありました。生産者ともお話しすることができ、現地の様子を聞きとても辛かったですが、国内でワイン作りを継続する為に頑張られている姿も間近にし、ここに少し書き留めておこうと思います。
試したワインの一つに、PRINCE TRUBETSKOI ワイナリーのPearl of the Steppe(2018年)というのがあります。このセレクション名は日本語だと「草原の真珠」や「ステップの真珠」という意味。生産地はヘルソン州で黒海に注ぐ大河ドニエプル川沿いにあり、19世紀から続く歴史のあるワイナリーです。ワインツーリズムも力を入れて風光明媚な場所だったみたいです。
ワインのボトルが汚れていますが、これは爆弾の攻撃を受けた跡。ブドウ畑やワイナリーは大きなダメージを受けました。このワイナリー地帯は今も危険な状態が続いているとのこと。今回はその被害から逃れたボトルのワインを試飲させてもらいました。フランスのブドウ品種アリゴテ100%からできている白ワインです。
ワイナリーの生産がストップして、今も何が起こるか分からない状況下、私たちに何ができるのか。投資やドネートをすることが彼らにとって一番の助けになるのかを問うたが、戦争が終わらないことには何も始まらない。新しく作ってもまた壊されるだけ、という答えがずっと心に残ってます。
そんな中、PRINCE TRUBETSKOIワイナリーは新しくStoic ワイナリーを立ち上げ、大変な時期の中ワイナリーとしてのあり方を模索していくみたいです。リロケーション等をするなどしてなんとかワイン作りを継続していることも見受けられますが、今までの場所にまだ戻ることはできません。
一方、生産が可能な地域のワイナリーは、国内市場が不安定ということもあり、海外輸出に力を入れています。私たちのワインを飲んでくれることが一番の助けになる、とあるワイナリーさんが言っていたのも心に残ります。
PRINCE TRUBETSKOI WINERYのサイト:
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