次の日女の子はすぐにこの物件の契約を結んだらしいのだけど、大家に聞くと″彼女は断った″と言い張る。
大家は確かに新しい借主から1か月分の家賃と1か月分の敷金を貰ったよ、とアレクセイが教えてくれたんだけど、大家はまだ新しい借り手は見つかっていないって嘘つくし、とにかくいろいろな口実をつけて敷金を返さない。
家を引き払うとき直接大家と会ったが もしかして私が国際電話した可能性があるから、それが確認できるまで敷金は返せないと言いだす。一緒に同行したロシア人の友達がその場で電話局に電話して確認してくれたが、今月分の請求書がでるまで書面で確認しないと信用できないと主張理由変更。そのうち大家も友達も早口でまくしたて、場はイヤ~な雰囲気になる。(ここではとにかく何でも言った者勝ち。無言の美徳はなし。)最後は私の友達もキレて日本語で私に”この人絶対返す気ないよっ”と叫ぶ。もっと闘いたかったがロシア人の友達は、これは無駄だと分かると途中でやる気をなくしてしまった。だんだん大家の顔つきも悪くなっってくる。人間の顔から段々ずる賢いキツネの顔に見えてきた。ムカ~~
直接不動産屋に行って直談判しに行っても、”もちろん、敷金は返すべきものでしょっ!”というだけで何もしてくれない。
返してくれないのが分かっていても、できるだけのことはして納得したかった。そう思っている時に、〝そんなことありえない~!〝って怒ってくれる知り合いがいて、その人がある時は不動産屋に「法律家」と名乗り、ある時は大家に「とある組織団体」と電話をかけて相手の反応を伺った。そんな子供じみたと思うかもしれないが、そこまでしないと相手本性がバレないんだよ。みんな恥じらいもなく嘘つくからさ。
結局は考え付くありとあらゆる手をつくしたけど、大家と不動産屋の担当者が親友でつるんでいたっていうのが分かったし、正義も律儀も恥じらいも何もない世界だからもう分かったっ!って、はじめからこういう風にならないように、あやふやな契約を更に自分達で書面化する必要があったっていうのも分かったし、到底ロシア語を早口で喋るのなんて無理だし、(普段でさえ舌が絡む)悔しかったけど、何となくまたロシアが分かってきた感じ!