イタリアワインを語る前に、まず”農業”を語りたいの巻ー2 イタリア篇

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イタリアにおけるワインを綴る前に、先ずはワインが食品である事、そしてワイン造りが農業の一部であることが大前提なことを触れておこうと思います。

この回では、イタリアにおいて農業はなにか、現地で感じたことも交えて写真と一緒に書いていきます。前後篇の2回に分けてお届けしますので、ぜひあわせて一読くださると嬉しいです。

前回の記事はこちら↓↓↓↓


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では、イタリアは何で勝負しているのか。ここからが、イタリア農業の面白いところです。

その答えの一つが、DOP・IGP(原産地呼称)制度。





イタリア農業の強み

このDOP・IGP(原産地呼称)制度は、日本でいうと「夕張メロン」や「神戸ビーフ」のように、決められた地域で、決められた基準を満たしたものだけが、その名前を名乗れる制度、と考えるとイメージしやすいかもしれません。ただし、DOP・IGPはさらに厳格で、特にDOPでは原料の産地から製法まで細かく定められています。

つまり、食品が「どこで」「どのように」作られたのかを保証し、その土地の気候や風土、伝統的な製法まで含めて守ろうという欧州共通の認証制度なのです。

イタリアは、この制度を最も積極的に活用している国でもあります。2025年時点でDOP・IGPの登録数は897品目と欧州で断トツの1位*。2位フランス(775)、3位スペイン(393)を大きく引き離し、EU全体の登録数(3,484品目)のうち約4分の1を、イタリア一国が占めています。チーズや生ハム、オリーブオイル、バルサミコ酢など、世界中で知られる数多くの食品が、この制度によって保護されています。

スーパで売っている”パルミジャーノ・レッジャーノ”のパッケージ。 原産地呼称保護を示す赤いマーク、D.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)が付いている。正真正銘、本物の伝統的な特産品である証。

つまり、イタリア農業の強みは、その土地だからこそ生まれる価値を守り、ブランドとして世界へ届けること。それこそが、イタリア農業らしさなのかな、と私は思っています。

こっちにいると普段「その訛りならローマ出身?」「ナポリ?」などという会話をよく耳にします。同じ州でも町が違えば料理も少しずつ違う。それぞれが、自分たちの土地に強い誇りを持っています。

イタリアには、そんな土地への愛着を表す「カンパニリズモ(Campanilismo)」という言葉があります。日本語に訳すと地元愛とか、愛郷心。

そんなイタリアだからこそ、「その土地で作られたものだけが、その名前を名乗れる」というDOP・IGPの考え方も、ごく自然に受け入れられているのかもしれません。

サラミや生ハムの薄切りプレート

このDOP・IGPという仕組みは、地元の人よりも、その土地を知らない人のためにこそ力を発揮するのかなと思います。

地元の人にとっては、生まれた頃から食べてきた「いつものチーズ」「誰々さんの生ハム」。

一方で、海外の人にとっては彼らの土地への誇りを読み取る共通言語、そんな役割をこの制度は担っているのかもしれません。

当たり前ですが、チーズも、生ハムも、オリーブオイルも、そしてワインも、その土地の気候や風土、そしてそこで暮らす人たちの営みの中から生まれているもの。作物を育てて、その土地そのものを育てていく毎日のサイクル。農業とは、生活であり、文化であり、経済だと思うこの頃です。

参考資料:*ISMEA-Qualivita”XXIII Rapporto Ismea-Qualivita 2025″
https://www.cronachedigusto.it/scenari/rapporto-ismea-qualivita-2025-dop-economy-in-crescita-vale-207-miliardi-di-euro/

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